FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

庭園戦略の最適化に見るドミニオン戦略思考の奥深さ~4:個別戦略検証その3~

少し間が空きましたが、個別戦略検証の3回目です。

今回は、庭園+男爵、庭園+役人、庭園+馬商人の三本です。んがくっく。

 

※検証結果は、属州場、屋敷場、4人戦、初手ランダム、番手ランダム、1万回のシミュレートによる結果です。

 

<庭園+男爵>

ドミマニを読んで、庭園戦略と相性の良いカードに男爵が挙げられてた時に半信半疑だったのですが、回してみると意外に強いのです。屋敷が手札にあれば、4金出て、直接庭園を買えるのと、屋敷が手札に無い場合は屋敷を獲得するため、三山切れが早くなる点が強いのですね。男爵は狩猟団とのセット意外であまり使ったことがなかったのですが、そこそこ強く、途中で岐路を少し差すと、さらに良い感じです。

まずは、庭園男爵が1人の場合ですが、多少鍛冶屋側より分が悪いものの、十分健闘していると言えるでしょう。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵3/引分 = 27.26/ 26.59/ 25.42/ 13.02/ 4.01%(17.2T) 三山 20%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵4/引分 = 25.62/ 24.62/ 24.70/ 17.49/ 3.84%(17.2T) 三山 23%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵5/引分 = 24.55/ 25.57/ 25.77/ 16.85/ 4.06%(17.2T) 三山 23%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵6/引分 = 26.71/ 26.84/ 26.60/ 12.31/ 4.47%(17.0T) 三山 20%

 

庭園男爵が2人になると、男爵、庭園、屋敷の三山切れ率が俄然高くなり、庭園男爵側の勝率が鍛冶屋側を上回ってきます。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵3 /庭園男爵4/引分 = 32.47/ 32.73/ 12.12/ 13.42/ 7.24%(19.5T) 三山 56%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園男爵4 /庭園男爵5/引分 = 21.88/ 21.93/ 28.49/ 19.52/ 4.92%(17.9T) 三山 74%

 

屋敷男爵が3人になると、平均終了ターンが11T前後になり、高速三山切れによる決着となります。

  • 庭園鍛冶屋/庭園男爵3 /庭園男爵4 /庭園男爵5/引分 =  2.76/ 37.65/ 26.30/ 23.75/ 2.72%(11.5T) 三山 100%
  • 庭園鍛冶屋/庭園男爵2 /庭園男爵3 /庭園男爵4/引分 = 13.82/ 27.23/ 30.51/ 20.17/ 2.88%(14.3T) 三山 99%

 

ちなみに、冒頭で触れた、庭園岐路男爵ですが、3金以下の場合に銀貨を2枚買った後は岐路を屋敷と同じ枚数まで買い足すアルゴリズムにしたところ、鍛冶屋3人対庭園岐路男爵1人で、十分鍛冶屋より有利な勝率を示しました。全般的に、庭園戦略のメインとなるターミナルアクションのサポート役として、岐路はうってつけだと思います。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園岐路男爵4/引分 = 20.53/ 20.60/ 19.44/ 33.81/ 2.96%(17.9T) 三山 40%

男爵と屋敷を揃えるために、地下貯蔵庫や倉庫も試してみましたが、ジェロニモ様では、地下貯蔵庫のプレイ時、屋敷も一緒に流してしまってNG。倉庫も、プレイ時屋敷を捨て札にしてしまうのでNG。と、購入優先順のアルゴリズム構築がメインのジェロニモ様では、アクションカードの細かい使い方が指定できず、シミュレートの限界がありました。

 

<庭園+役人>

役人、、、。どうも苦手です。カードの効果から考えると、ステロを邪魔しつつ、銀貨を増やして、庭園や公領公爵をかいまくる。と、そこそこ戦えそうな感じなのですが、なかなか上手く使いこなせないカードです。役人を打ったターンそのものに、プラスの効果がないことで、そのターンに限っては、屋敷があるのと変わりないんですよね。やはり、庭園役人3人でステロを囲んで、延々と勝利点を次のターンに回し続けるのが、正しい使い方だと思われます。

まずは、庭園役人が1人の場合ですが、予想通り、低い勝率に終始しています。三山切れになる割合も10%強しかありません。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人2/引分 = 30.31/ 30.48/ 30.61/  2.22/ 3.45%(18.1T) 三山 11%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人3/引分 = 32.50/ 29.92/ 29.64/  4.21/ 4.00%(18.5T) 三山 13%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人4/引分 = 29.21/ 30.23/ 29.63/  4.32/ 4.17%(18.9T) 三山 13%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人5/引分 = 30.02/ 31.20/ 29.57/  3.06/ 3.84%(19.1T) 三山 13%

 

庭園役人が2人になっても、不利な傾向が変わらずですが、場全体で役人がプレイされる頻度が上がるので、多少庭園側の勝率も上がります。ただし、そこそこ高い三山切れ率のわりには、勝率が低いようにも思います。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人2 /庭園役人3/引分 = 36.09/ 37.24/  8.65/ 11.17/ 5.11%(22.4T) 三山 59%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園役人3 /庭園役人4/引分 = 30.56/ 30.47/ 18.51/ 14.09/ 3.86%(22.2T) 三山 72%

 

庭園役人が3人になると、これまた予想通り、鍛冶屋に対して、十分有利に働きます。ただし、鍛冶屋の邪魔をしつつ、一方で、庭園役人側も購入が増えるわけではないので、ほぼ100%三山切れで決着しているわりには、平均終了ターン数は17~19ターンと、遅めです。

  • 庭園鍛冶屋/庭園役人2 /庭園役人3 /庭園役人4/引分 = 12.32/ 37.78/ 27.62/ 13.88/ 3.27%(17.4T) 三山 100%
  • 庭園鍛冶屋/庭園役人2 /庭園役人2 /庭園役人2/引分 = 23.44/ 23.22/ 22.48/ 22.72/ 3.70%(18.7T) 三山 100%
  • 庭園鍛冶屋/庭園役人3 /庭園役人3 /庭園役人3/引分 = 11.97/ 26.58/ 26.50/ 26.33/ 3.03%(17.4T) 三山 100%

 

<庭園+馬商人>

プラス購入があって、4金、5金が出しやすく、庭園のお供には打ってつけなようですが、馬商人自身が出せるのは3金というところが、庭園のお供として使う場合、終盤に勝利点が増えてきたデッキで不利に働くと予想されます。また、岐路を差した場合にも、馬商人のアクションで2枚捨て札になってしまうので、岐路から連発しにくい、という点が難しいところです。

まず、庭園馬商人が1人の場合、勝率は非常に低く、役人よりも低い水準です。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園馬商人3/引分 = 30.92/ 30.79/ 28.80/  2.80/ 4.08%(16.8T) 三山 10%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園馬商人4/引分 = 30.46/ 29.93/ 29.93/  2.89/ 4.34%(16.8T) 三山 10%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園馬商人5/引分 = 30.59/ 31.41/ 29.79/  1.63/ 4.41%(16.8T) 三山 10%

 

次に庭園馬商人が2人の場合ですが、勝率は向上するものの、まだまだ鍛冶屋ステロよりも不利な傾向です。三山切れ率は66%あるのですが、その割には、勝率が上がっていない印象です。

  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園馬商人3/庭園馬商人4/引分 = 39.17/ 38.47/  7.58/  7.65/ 5.69%(19.7T) 三山 56%
  • 庭園鍛冶屋/庭園鍛冶屋/庭園馬商人4/庭園馬商人5/引分 = 35.34/ 35.74/ 12.88/  9.30/ 5.08%(19.3T) 三山 66%

 

庭園馬商人が3人になると、一気に三山が切れて、勝率も上がります。

  • 庭園鍛冶屋/庭園馬商人3/庭園馬商人4/庭園馬商人5/引分 = 14.33/ 31.17/ 22.30/ 21.78/ 4.44%(15.8T) 三山 99%
  • 庭園鍛冶屋/庭園馬商人3/庭園馬商人3/庭園馬商人3/引分 = 13.88/ 25.15/ 25.58/ 25.30/ 4.43%(16.0T) 三山 99%

 

次の記事からは、庭園戦略間の有意差検証を進めますが、役人はアタック効果。馬商人はリアクション効果がどのように戦績に反映されるか、見ていきたいと思います。

 

さて、庭園検証回の2~4で紹介した戦略をまとめると、以下のようになります。

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もともとが、庭園と相性が良いカードの評価ですので、庭園に3人いけば勝率をかなり挙げることができます。

庭園2人の場合は、工房、鉄工所、泥棒の他に、男爵も勝率の高い戦術です。逆にそれ以外のカードでは、鍛冶屋ステロに対して優位に立てず、中庭などのより強いステロ戦術に対しては、勝ちきれないものと思われます。庭園がサプライにある場合は、初手が4-3か3-4かによっても、庭園に行く判断を保留できるか否かが分かれるので、手の読み合いが楽しそうです。

また、庭園1人の場合でも、鉄鋼所もしくは泥棒を用いることで、庭園側有利になります。今回は鍛冶屋ステロとの比較でしたが、よろずやなど、長丁場で真価を発揮するステロ戦術や、リアクションカードがある場合には、また傾向が変わります。

庭園側にとって、基本的には如何に早く三山切らして勝つかが重要なわけですが、庭園側が1人でも、長期戦に持ち込んで、なおかつ、高い三山切れ率を示す庭園+泥棒は、庭園戦術の中では異端といえるでしょう。

 

※データ検証には「Geronimoo's Dominion Simulator」(URL:http://dominionsimulator.wordpress.com/)を使っています。

ツールの開発者の方々に感謝いたします。