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FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

庭園戦略の最適化に見るドミニオン戦略思考の奥深さ~6:庭園側二人の場合の対戦シミュレーション~(追記有)

 庭園戦略検証も、6回目を迎えました。まだまだ確認したいことがあるので、もうしばらくお付き合いください。今回は、お祭り回の庭園二人+ステロ二人の対戦シミュレーションです。

 

<ステロ側検証作戦>

 固定1)よろずやステロ

 固定2)鍛冶屋ステロ

庭園二人+ステロ二人のシミュレーションということで、属州ノルマの6枚化による長丁場の戦いが予想されます。過去のステロ検証の記事に書いた通り、長丁場のステロとしては、よろずやステロの方が鍛冶屋ステロよりも優れていると予想されますので、これら両者を選んでいます。ステロ側二人は、このよろずやステロと鍛冶屋ステロで固定です。また、ともに、終盤の公領を買うタイミングで、庭園が残っていればカットしに行くアルゴリズムを加えた「庭園よろずや」と「庭園鍛冶屋」で検証を行っています。

 

<庭園側検証作戦>

 A)庭園+工房

 B)庭園+泥棒

 C)庭園+泥棒+工房

 D)庭園+泥棒+木こり

 E)庭園+男爵

 F)庭園+役人

 G)庭園+鉄工所

 H)庭園+木こり

 I)庭園+馬商人

これまでの検証の結果から、ある程度強い庭園戦略の予想はつくわけですが、作戦間の相性や、ステロ側へのシナジーなどを中心に見ていきたいと思います。

<検証方法/検証結果>

これまでと同じく、属州場、屋敷場、4人戦、初手ランダム、番手ランダム、1万回のシミュレートによる結果です。上記の9作戦を、同じ作戦の割り当て有の総当りで45戦(=9C2+9)回しています。

各作戦ごとの平均勝率、標準偏差、最大勝率、最小勝率、中心値は以下の通りです。前回と同じく引き分けは計上していません。

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数字だけだと分かりにくいので、グラフ化してみます。

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突出して強いのは、よろずやステロと庭園鉄工所ですね。勝率の平均値を比べると、そんなに両者に差がないように思えますが、最大最小を見ると、庭園鉄工所が非常に安定していることがわかります。

他の作戦の比較のために、Y軸を拡大したものが、下のグラフです。

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勝率三番手争いは、鍛冶屋ステロ、庭園工房、庭園泥棒、庭園泥棒木こり、庭園男爵あたりがしのぎを削っています。木こりさんがいまいち元気がない代わりに、男爵は大健闘といえるのではないでしょうか?

また、対戦1万回シミュレーションの中で、勝率が一番高かったものを勝率1位として、平均の順位を計算すると、下の表の通り、庭園鉄工所は、どの組み合わせでも勝率1位。逆に、庭園木こりはどの組み合わせでも勝率4位となりました。ちなみに、よろずやステロと庭園鉄工所以外に、勝率1位になったのは、庭園工房のみであり、鍛冶屋ステロ相手では猛威を振るった庭園泥棒も、よろずやステロ以上の勝率は稼げなかったことがわかります。

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<ステロ側検証>

予想通り、平均ゲーム終了ターン数が伸びるステロ二人+庭園二人の環境では、よろずやステロの強さが際立ちました。横軸によろずやステロの勝率、縦軸に鍛冶屋ステロの勝率をとると、面白い傾向が見て取れます。

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まず、アタックカードではない、泥棒、役人以外の作戦との組み合わせの場合の勝率を黒いシンボルで表していますが、測ったように一直線上に並びます。勝率のおおよその比率は1:3程度。ステロ場で、13~14ターンで属州が切れるような状況での勝率の比率は1:1程度なのですが、銀貨を継続して補充できるよろずやステロの強さがわかります。

さらに、庭園戦略側に泥棒がはいると、白抜きの赤四角で示したように、よろずやステロ有利側に一気に傾きます。庭園側が二人とも泥棒戦術の場合、赤四角で示したように、黒い菱形のデータの集合で表される基準線から、よろずやステロ有利側にシフトします。これも、庭園側に泥棒を打たれて金量が減っていくのに対して、よろずやで継続的に銀貨を補充できる効果が表れています。

また、庭園側に役人が入ると、意外なくらいに、鍛冶屋ステロキラーぶりを発揮します。青三角の分布が、赤四角の分布以上によろずやステロ有利に動いているのがわかります。確かに、よろずやにとっては、手札の勝利点を山札に戻してもらって、自分の手番で、よろずやの効果でそれを流した後、手札を5枚まで補充できる訳ですから、至れり尽くせりというものですね。

これらは、ひとえに、平均ゲーム終了ターン数が伸びていることによる効果ですので、三山切れが加速される庭園側三人のケースになると、状況は一変し、鍛冶屋ステロ、しかも一枚回しの方が有利に働くでしょう。

 

 <庭園側検証>

 庭園側は、鉄工所に尽きるわけですが、作戦間のシナジを検証するために、それぞれの作戦を使った場合の勝率を並べてみます。平均勝率の高い順に行ってみましょう。

 「庭園鉄工所」平均勝率 47.58%

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庭園鉄工所自身の勝率は、概ね、もう一人の庭園側作戦の強さの逆関数、ステロ側を邪魔するインタラクションによってステロ側の勝率が下がる逆関数になっているといえます。すなわち、庭園戦略としては弱い部類に入り、かつ、ステロの足止めをする庭園役人との組み合わせが一番庭園鉄工所の勝率が高く、また、庭園戦略として強い部類に入り、かつ、ステロの足止めにならない庭園工房との組み合わせは庭園鉄工所の勝率が低くなります。

一番、庭園鉄工所の勝率が低くなるのは、庭園泥棒工房との組み合わせですが、これは庭園鉄工所自身の財宝が盗まれて弱体化することによると思われます。

ちなみに、ステロ側の勝率を最小化するのは、庭園側が二人とも鉄工所にいった場合となります。

また、今回のシミュレーションでは、庭園側のキーカードの最適購入枚数の調整を行っているのですが、平均終了ターン数の速遅や、もう一人の庭園戦略のインタラクションによって、4~6枚まで変わってきます。ここで、より深く検証タイトルである”庭園戦略の最適化に見るドミニオン戦略思考の奥深さ”につながるわけなのですが、おそらく、上級者の方々は、その豊富な対戦経験や、カードの持つ効果に対する深い理解をベースに、ゲームの展開を読んで、ゲームの中での購入を調整されているのだと思います。”庭園戦略”は比較的ジェロニモ様で検証しやすいことからテーマに選びましたが、初心者には難しい”コンボの構築”においても、同じことなのだと思います。

とまれ、ドミラニで初級者→中級者の階段は、一段飛ばしで駆け上がることができるように思いますが、そこから先は経験、理解、読みの三位一体で強くなるしかないのだと思われます。その意味で、各カードの本質に対するコメントの詰まっているドミゼロの巻末にあるカード紹介は素晴らしいコンテンツだと思います。とゆーわけで、暗黒時代とギルd、、、、。いやいや、何も言いますまい。

 

「庭園泥棒工房」平均勝率 17.40%

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庭園工房よりも、泥棒を入れた庭園泥棒工房の方が平均勝率が高いというのが少し予想外でした。また、庭園泥棒工房が二人入るよりも、普通の庭園工房との組み合わせの方が、庭園泥棒工房の勝率が高くなるのが面白いところです。庭園泥棒工房の中では、この二つの組み合わせが一段高い勝率帯に位置しています。これらの平均終了ターンを見ると、庭園鉄工所を除いては、非常に速いターンでゲームが終了しますし、三山切れ率も高いので、庭園、工房、屋敷の三山切れで、属州側に対してアドバンテージを確保していることがわかります。

 

「庭園工房」平均勝率 16.36%

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40%を超える勝率の時もあれば、10%未満の時もあるなど、多少不安定さが見える結果となっています。ちょっと意外なのは、庭園泥棒工房の場合を除いて、もう一人の庭園が泥棒に走ると、庭園工房の勝率が悪くなることです。

また、庭園泥棒工房の最適工房購入枚数は、ゲームの組み合わせによらず3枚だったのに対し、庭園工房の最適工房購入枚数は3~5枚とばらついています。

 

「庭園泥棒」平均勝率 14.14%

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庭園泥棒は、もう一人の庭園側も同じ庭園泥棒の場合は、もっとも勝率が高くなります。ここまではいいのですが、その次に勝率の高いのが庭園男爵との組み合わせ、その次が庭園木こりとの組み合わせというのが、いまいち理由がわかりません。

逆に庭園泥棒が弱い組み合わせは、庭園鉄工所、庭園工房などに交じって、銀貨を供給し続けることができる庭園役人がワースト2にきています。この組み合わせは、ステロ側の勝率が非常に高くなっており、 庭園役人の勝率が高いわけでもなく、こちらも理由が難しいのですが、他の組み合わせに比べて、三山切れになる確率が低く(53%)、このあたりが属州側有利となっているのだと思います。

(追記)男爵と木こりが上位にくるのは、購入を増やす効果によって、デッキ内の財宝密度が上がるため、泥棒のアタックに対して耐性があるのではないか?また、役人の手札の勝利点を山札のトップに乗せる効果によって、泥棒の財宝を奪う効果が相対的に弱くなるので、庭園役人がワースト2にきているのではないか?とのコメントをいただきました。ありがとうございました。

 

「庭園男爵」平均勝率 13.03%

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庭園男爵も難しい挙動です。通常、庭園鉄工所など、もう一人の庭園側が強い作戦だと、自分自身の勝率が低目にでるものですが、庭園男爵は、庭園鉄工所との組み合わせが最も勝率が高いという、不思議な結果となりました。平均終了ターン数が短いほど勝率が良い傾向がありますので、屋敷との組み合わせで4金出て、庭園を買いやすい庭園男爵の特性がでたものと思います。

 

その他の作戦は、勝率が低すぎて、なかなか比較が難しいので、ここでは詳細を割愛します。結果ファイルはあげておきますので、ご覧ください。

「庭園泥棒木こり」平均勝率 4.53%

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「庭園馬商人」平均勝率 2.55%

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「庭園木こり」平均勝率 1.46%

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「庭園役人」平均勝率 1.08%

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※データ検証には「Geronimoo's Dominion Simulator」(URL:http://dominionsimulator.wordpress.com/)を使っています。

ツールの開発者の方々に感謝いたします。

 

 

最後に、シミュレーションの全結果を添付しておきます。

次回は、庭園側が三人の場合のシミュレーションになるか、公領公爵の新しいシリーズを始めるか、とか考えていますが、ドミラニの一人回しをしたり、Gokoのジャパンカップの参加資格を得るためにGoko修行をしているかもしれません。

いつもご愛顧ありがとうございます。次回をお楽しみに~!

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