FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

[箸休め]マスは宇宙だ!解いてみせる!このドローとアクションという名の方程式を!

ええ、中学生の頃に習いましたよ。連立方程式とかいうやつ。

なんか、ドミニオンのカードたくさんあるんで、スリーブとかに入れたり、拡張ごとにわけて他の箱にまとめて詰めなおしてみたり、コスト順に並べてみたり。

ええ、昔から自覚症状はあったんですよ。LEGOとか組み立てなくても、パーツごとにまとめるだけで楽しいし、お歳暮配達バイトやってた頃も、宅配トラックに隙間無く荷物を詰めるだけで楽しいし、「魍魎の匣」読んだ時も”これ俺だわー”とか思いましたし。

んで、まぁ、ドローとアクションとコストに区切って、ドミニオンのカードはめ込んでみたわけです。

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そうすると、まぁ、なんとなく多元連立方程式に見えてくるわけですよ。 

  • A:アクション(Action)
  • B:購入(Buy)
  • C:コイン(Coin)
  • D:ドロー(Draw)

たとえば、上の4つの変数で表現すると、市場はA+B+C+D=5Cost、手先はA+B=C+D=2Costなので、手先のアクションを選べる効果というのは、1Costに相当するな、とか。青空市場はA+B+D=3なので、廃棄時のリアクション効果は2Cost相当だな、とか。宝物庫はA+C+D=5なので、勝利点買わない時に山札に戻せる効果は1Bに相当するな、とか。

他にも、鍛冶屋は3D=4Costなので、大衆の3D=5Costの差額分の山札3枚めくって財宝とアクションを流すアタックはわずか1Cost相当なのか、とか。助言者はA+3D-1捨札=4Cost、公使は5Dー1捨札=4Costだから、助言者についてるAでアクションを圧迫しない効果は、2D相当かな、とか。村は2A+D=3Costで、移動動物園はA+D+特殊状況下で2D=3Costだから、やっぱり1Aは2Dとほぼ等しいのかな、とか。また、労働者の村は2A+B+D=4Costなので、1B=1Cost相当だな、とか。木こりはB+2C=3Costで、銀貨がアクションを消費しない財宝であるという価値は、1B分に相当するな、とか。

この考えを拡張していくと、デッキ枚数やデッキ総金量という指標以外にも、デッキ全体の持つポテンシャルを表現できる気がするし、ステロ、圧縮、コンボと、目指すデッキの理想的な状態を変数の組合せで数値化して、そのサプライにおける構築の最適手順を導き出したりだとか、いろいろ面白い方向に発展させられないかな?とか。ゆくゆくは、stefさんのログを見て感じる”ここでコレ買うのか~。どこまで見えてんだ?”的なアプローチを導き出せないかな、とか。

 

そんなこんなで、鬱陶しい文体の長い前振りをぶちかましつつ、更新してみました、FERRY's game blogです。今回は箸休めの戯言回です。すいません、すいません。

前回更新から、世間では将棋の第3回電王戦があったり、ツイッターのTL上でドミニオンAIの論文の話題が出てたので読んでみたら結構面白かったり、2014年度ドミニオン日本選手権のレギュレーションがなかなか発表されなかったりと、いろいろあったわけですが、ひっそりとこのブログも10000viewを達成しました。記事を更新できていない間にも、毎日少なくない数の方々がブログを覗いて下さっているみたいで、ありがたいやら、申し訳ないやらです。VBAのマクロに新しいカードを実装したり、C言語の勉強を始めたり、ドミニオンやったりと、水面の下の白鳥の足のごとく忙しい毎日を過ごしておりますので、ゆる~く見守っていただければと思います。

改めて、お読みいただいている皆様、ありがとうございます。

 

さて、これだけで終わってもなんなので、プチネタを。

初手銀-銀で入ったデッキ2周目の3T目、4T目に5金が出る確率、6金が出る確率については様々な場所で触れられていますが、では、純粋お金プレイの場合、6Tが終っても5金出ない確率、6金出ない確率はどのくらいあるでしょうか?

いつものVBAお手製ツールで、初手銀ー銀から、6金以上で金貨、3~5金で銀貨を買うアルゴリズムで10000回の試算を行いました。このくらいなら確率計算できるのかもしれませんが、場合分けが複雑になるので、あっさりツールのお世話になります。

<各ターン毎の初めて5金以上/6金以上が出る確率>

5金以上:3T=52.87%、4T=38.52%、5T=7.93%、6T=0.65%、7T=0.03%、8T=0.00%、9T=0.00%、10T=0.00%

6金以上:3T=21.23%、4T=21.48%、5T=26.12%、6T=18.90%、7T=11.61%、8T=0.51%、9T=0.15%、10T=0.00%

 

これだとわかりにくいので、累積を計算すると

<そのターンまでに5金以上/6金以上が出る確率>

5金以上:3T=52.87%、4T=91.39%、5T=99.32%、6T=99.97%、7T以降100%

6金以上:3T=21.23%、4T=42.71%、5T=68.83%、6T=87.73%、7T=99.34%、8T=99.85%、9T以降100%

となります。

5金以上出る確率に関しては、4T目では90%強と、5金出ない確率が10%近くありますが、5T目までいくと99%超と、ほぼ100% 5金出ることがわかります。ただし、3周目のデッキに5金のカードを入れる事ができないと圧倒的に不利になる為、3~4Tでの5金到達確率が優先されますし、オアシス-銀の方が銀-銀より確率が高いなどの検証結果もあります。

一方、6金以上出る確率に関しては、6T目が終了しても90%に達しておらず、決め打ち狩場ステロや、とにかくならず者買う。というアプローチには、無視できないリスクが潜んでいると言えます。

 

プチネタの最後は、同様の検討を”対戦相手が大使館を買ったら?”という仮定で進めてみます。初手銀-銀のこちらに対して、相手が大使館を購入した場合、購入時効果で大使館を買ったプレイヤ以外に銀貨が配られます。先手、後手、2-5、5-2で違ってくるのですが、ここでは簡単のために、2周目のデッキが銀3銅7屋3の状態として、3T目からのシミュレーションを行いました。その結果、累積を計算すると、

<そのターンまでに5金以上/6金以上が出る確率>

5金以上:3T=64.84%、4T=97.22%、5T以降100%

6金以上:3T=33.20%、4T=64.44%、5T=88.24%、6T=96.68%、7T以降100%

と、5金到達確率の改善もさることながら、3~4Tの6金到達確率がほぼ1.5倍になっていることがわかります。

純粋お金プレイでの属州4枚獲得の平均ターン数も16.6→15.7Tとほぼ丸々1T分加速しており、平均金量の増加に伴う、デッキ強化の影響が少なくないことを表しています。

 

次回、次々回は、コストとドローの相関関係検証と、特殊財宝のステロに与える影響なんかを見ていきたいと思います。