FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

鍛冶屋ステロ 11T属州4枚と18T属州4枚で、鍛冶屋を打つ回数に何回差があるか?[改題]

このブログの初心

  1. ドミニオン日本選手権2014でリベンジする(Mission imcompleted)
  2. FERRY氏強くなる(中堅杯の頃よりもレート落ちてる気が、、、)
  3. ドミニオンAI作る(とりあえずwikipediaで”AI”って調べてみた)

そ~よ、あきらめない心って大事なのよ~

このところ、ゴコストなるイベント運営に精を出していたFERRY氏ではありますが、風が心に囁くのであります。このままじゃ駄目なんだと、、、。早稲田 理工展スイスドロー大会での低迷。さらに、レポにしようとしても心が挫けてしまうgokoオフスイスドロー大会の惨劇。そして、まぁ、ゴコストのシリーズレポばかりが並んでしまうブログというのも、本末転倒の謗りを受けかねませんので、このあたりで、あんまり見たことの無いようなデータを開示して、皆様のご機嫌を伺おうではないか。そーだ、そーだ、それがいい。というような脳内学級委員会の末、心の友である鍛冶屋ステロさんにお出ましいただくことにあいなりました。

今回のネタは「鍛冶屋ステロのログ解析をして、強い動きと弱い動きを数値化しようじゃないか」です。その前段階として、鍛冶屋ステロ唯一のアクションカードである鍛冶屋の使用回数が、属州購入速度にどのように影響を与えているか?を確認してみました。「初手4-3から、鍛冶屋-銀と買って、8金以上で属州、6金以上で金貨、3金以上は銀貨、金貨1枚買うまでは8金でても属州買わない。」アルゴリズムで20000回の試行を、お手製の某表計算ソフトのVBAマクロで行いました。

横軸が鍛冶屋を打った回数、縦軸が該当件数、グラフ内の各折れ線は属州4枚購入するのにかかったターン数(9~21T)を表しています。

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属州4枚購入ターン数に関わらず、鍛冶屋の使用回数が4回のところにピークがあるケースが非常に多いことがわかります。縦軸が回数だと有意差がわかりにくいので、サンプル数の少ない9T、10Tを除いて、縦軸を同じ属州4枚購入ターン数内での占有率(%)に置き換えたのが、下のグラフです。

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鍛冶屋5回のところに最大値があるのは、属州4枚獲得ターン数が遅い19/20/21Tの三つであることがわかります。簡単のために、これらのデータを除いてグラフ化してみましょう。

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この傾向には結構ビックリしたのですが、属州4枚購入ターン数が11T~18T目まで、鍛冶屋を打った回数の最頻値は4回でした。しかも、全体に対する割合は11Tのケースを除いて、40%~45%の間に分布しています。

鍛冶屋1枚で回す鍛冶屋ステロの平均属州4枚購入速度は14.7T程度なのですが、このグラフと合わせて考えると、「鍛冶屋ステロをすると、2ゲームに1ゲームは鍛冶屋を打てる回数が4回で、しかも、属州4枚購入速度は11Tから18Tまで、めちゃくちゃバラツく」という、二度と鍛冶屋ステロなんかしたくなくなるような結果でした。このままでは「上位プレーヤに勝てたのが、たまたまステロ戦術だったからと言って、ステロ戦術が得意ということにはならないのよ」と煽られてしまいます。

とはいえ、ここまで苦楽を共にしてきた鍛冶屋ステロです。気まぐれ屋さんだからというだけでdisっていては、ステロスキーの名折れです。気持ちを強くもってホントに鍛冶屋さんが悪いのか、もう少し詳しくみてみましょう。

 

11Tで属州4枚取れる時と、18Tで属州4枚取る時には、各ターンの行動内容に差が出るはずですので、「鍛冶屋を打つ/打たない」「X金出る」「Yを購入する」という三要素に分けて、強い動きと弱い動きの差を見ていきます。

まずは、上のケースと同じく、初手4-3を鍛冶屋-銀で入ったケースで10000回の試行を行いました。この時属州を4枚買うまでに、鍛冶屋を打って6金で金貨、3金で銀貨、など、各ターンの行動内容を累積して回数を数えたものが縦軸です。凡例は属州4枚を買えたターン数で分けられていますので、例えば10000回の試行のうち、15Tで属州4枚を買えたケース(図中オレンジの線)で、鍛冶屋を打たずに8金で属州を買ったのがのべ約3500回、鍛冶屋を打って10金で属州を買ったのがのべ約1000回といった表し方をしています。属州4枚購入の平均ターンは14.7Tですから、14T(青)と15T(オレンジ)の線の回数が多くなっています。

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 こちらも、回数を縦軸にとると、10000回の試行中に実際に属州4枚を取る速度毎の頻度差によって縦にばらついたグラフになって見にくいので、その行動内容の割合で縦軸を規格化したものが次のグラフです。サンプル数の少ない属州4枚10T以下、および、20T以上のデータは省いてあります。

本記事の前半部分と同じく、縦軸を割合で取ると、各速度毎に違いが有る部分と無い部分の差が、より鮮明になります。具体的には、金貨の入り方と属州を買うときに出ている金量に差があるように見えます。

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 さらに、平均的な速度である15T属州4枚時の各行動内容を基準として、その差分を取ることで、考察を進めます。まずは属州4枚購入が15Tより速い場合。すなわち、標準より強い動きを抽出してみると、以下のような傾向が見られることがわかります。

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15Tが標準になるので、オレンジの線が0%のところに横一線に引かれています。縦軸の数値が大きいほど、その行動内容の頻度が高かったことを示します。例えば、鍛冶屋を打って6金で金貨を買う行動内容は、属州4枚購入の速度が速いほど+側に大きくなっていきますので、属州を買う速度を加速させる働きがあることがわかります。同様にみていくと、

  • 鍛冶屋を打ったときに、6~7金で金貨を買う動きが強い。
  • 属州4枚11Tと12Tの比較では、鍛冶屋を打たない場合に3金ちょうどで銀貨・6金ちょうどで金貨を買えるのが強く、一方で4~5金で銀貨を買う動きが弱い。
  • 鍛冶屋を打たずに8金以上で属州を買う動きは弱い。素で8金でるということは、その分だけ銀貨・金貨を入れる手数が、それ以前の段階でかかっていることの裏返し。
  • 鍛冶屋を打って10金以上で属州を買う動きは弱い。金量が偏りすぎていて、そのターン以外のターンの動きが弱くなってしまう。
  • いわゆる7金病に関しては、鍛冶屋を打って7金で金貨を買う動きは強く、鍛冶屋を打たずに7金で金貨を買う動きは弱い。鍛冶屋を打って7金の場合は、序盤金貨を入れることができて、その後のデッキ周回が優位になるケースと、中盤以降、その手札に勝利点がいくつか含まれている形で、鍛冶屋を打ったターン以外の動きが強くなるケースが含まれていると考えられる。

これに対して、属州4枚購入速度が15Tよりも遅くなる場合は、とにかく金貨が入らず、また属州を買うときに金量が出すぎてしまう、という弱い動きが重なってしまっていることが示唆されます。7金病に関しては、鍛冶屋を打つ/打たないに関わらず弱い動きとして見えており、展開が遅くなる場合は、とにかく8金でることが大事であるといえます。

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鍛冶屋ステロを回す上では、デッキ2周目(特に3T目)に金貨を購入できるか否かが、その後の展開を左右することは知られていますが、鍛冶屋が底沈みするか否か以外にも、鍛冶屋を打ったターンに如何に金量が出過ぎないか(如何にピッタリ8金でるか?)が、属州4枚到達速度を決定付けていることがわかります。

まぁ、当たり前といえば当たり前の結果ですが、銀貨、金貨、属州を必要な数だけ、購入コストぴったりで買うのが強い。という身も蓋もない解析結果でしたw 

以前に書いた鍛冶屋記事("鍛冶屋、打っちゃダメ、ゼッタイ"な鍛冶屋とは?)でも、「手札に6金、もしくは、8金あって、鍛冶屋を打つとリシャッフルが入ってしまう場合には鍛冶屋を打たない。手札に6金無い時はリシャッフルに入ってしまっても鍛冶屋を打つ。」アルゴリズムが最も成績が良かったので、鍛冶屋を打つ回数よりも、金量の無駄をどれだけ避けることができたか?の方が重要だと言えると思います。

また、このことは手札から山札の上に1枚乗せる効果によって金量を調節できる、中庭や伯爵の強さや、引き切り8金・引き切り16金2購入の効率の良さを物語っています。

ということで、本日の検証の結論は、「ポッキリは強い」ということで。

 

次の検証の方向性としては、今回面白さに目覚めたログ解析を少し掘り下げてみたいと思います。