銀-銀スタートで序盤6金出た場合の議事堂購入について、もう少し考えてみるですよ。
前回の記事を書いた後、議事堂、書庫、保管庫については、しっくりこなかったので、もう少し考えてみた。というお話です。
特に、議事堂、保管庫に関しては、他のプレイヤーに対するインタラクションが発生しますし、同じアクションを四人で打ち合うシチュエーションが特殊であることもありますので、今回は、相手によろずやステロ、鍛冶屋ステロを配置して、検証しています。鍛冶屋ステロは速度バロメータとして、よろずやステロは議事堂と保管庫で手札の枚数が変わる効果を鍛冶屋ステロと比較するためです。また、初手は4-3に限定して、必ず銀ー銀スタートになるようにしています。
というわけで、属州場、屋敷場、四人戦、初手4-3限定、番手ランダム、5金帯の各アクションに”(金)”と着いているほうが金貨優先です。
まずは、比較対象であるよろずやと鍛冶屋を2対2で回してみると、インタラクションの無い状態では、よろずやの方が6%弱有利であることがわかります。
- よろずや/鍛冶屋/引分=46.6 / 40.7 / 6.1 %(平均13.5T)
※それにしても、足して100%にならないのが気になる、、、。
以下、議事堂、書庫、保管庫のケースをみていきます。
<議事堂>
- 議事堂/議事堂(金)/よろずや/鍛冶屋/引分= 20.9 / 22.5 / 15.8 / 29.7 / 6.1 %(12.4T)
議事堂が二人いるので、よろずやに対して不利、鍛冶屋に対して有利になるだろうという、事前の読みどおりになりましたが、よろずやの勝率が鍛冶屋の半分になるのは予想外でした。「銀貨を獲得する」「屋敷を廃棄する」という部分は、議事堂の影響を受けない(議事堂で一枚増えても、よろずやで一枚引いてきても同じ)ので、一枚引く前にデッキトップを確認して流す選択をする”密偵効果”の部分が、勝敗を分けていることになります。
議事堂と議事堂(金)の比較については、勝率で1.6%の差があり、微差ではありますが、金貨を優先して入れるほうが有利との結果になりました。
また、各ターンでの平均獲得勝利点の比較では、5T、6Tの値に金貨優先の青線の方が早く勝利点が立ち上がる傾向が見られますが、属州の購買ルールを「金貨を1枚買ってからでないと属州を買わない」としていますので、その差が見えているだけ(8金ででも属州を買わない)だと思われます。
※ちなみに「金貨0枚でも属州を買う」アルゴリズムに変更しても、勝率は変わりませんでした。
一方で、議事堂を1人にして、よろずや1人、鍛冶屋2人、もしくは、よろずや2人&鍛冶屋1人の状態で比較すると、議事堂を優先する場合と、金貨を優先する場合で勝率に差はありませんでした。ただし、議事堂を優先した場合のよろずやの勝率が低いことから判断すると、相手全員1ドローの効果はしっかり差として見えています。
- 議事堂(金)/よろずや/鍛冶屋 /鍛冶屋/引分=17.9 / 19.9 / 25.0 / 24/9 / 5.5 %(13.2T)
- 議事堂 /よろずや/鍛冶屋 /鍛冶屋/引分=18.0 / 17.6 / 26.0 / 26.0 / 5.4 %(13.0T)
- 議事堂(金)/よろずや/よろずや/鍛冶屋/引分=19.6 / 21.1 / 21.1 / 26.9 / 5.7 %(13.2T)
- 議事堂 /よろずや/よろずや/鍛冶屋/引分=19.7 / 19.8 / 19.9 / 29.3 / 5.8 %(12.9T)
まとめると、銀-銀スタートで議事堂を買う前に6金が出た場合、他の相手が議事堂ステロ以外の選択肢を選んでいる時は、金貨と議事堂どちらを選んでも勝率に差がありませんが、先行して議事堂を購入している相手がいれば、金貨を選んだ方が若干勝率が良くなる。という結果になりました。
議事堂に関してはかなりすっきりしました。四人とも議事堂を購入する前回の検証と合わせると、対戦相手に一枚カードを配る効果について熟慮しながら使う必要がありますし、仮に一番手、二番手が5-2で議事堂ステロに走ったような場合は、下位番手でも、鍛冶屋ステロで十分戦えることもわかりました。
少し長くなったので、書庫と保管庫についての検証は、次の機会に。
※データ検証には「Geronimoo's Dominion Simulator」(URL:http://dominionsimulator.wordpress.com/)を使っています。ツールの開発者の方々に感謝いたします。