FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

庭園の次は、やっぱ、シルクか公領公爵でしょ! まぁ、それはさておき、どれが一番強いんだっけ?

2013年の9月に始めたこのブログ。拙いものではありますが、おかげさまでいろんな方に読んでいただけており、深く感謝する次第です。ありがとうございます。

GokoのProRateも中堅杯をはさんで、一気に500くらい上がったのを始め、5000台をキープできそうな気配が漂ってきており、ブログ効果がでているかな?という感じです。

ここまでの記事では、庭園の記事にたくさんの反応をいただきました。少しでも、なにかしら新しい視点をお届けすることができていれば幸いです。

そんな感じのFERRY's Game Blogですが、2014年も、検証記事と、ログの振り返りと、僕だけのコンボドリルあたりを中心に、のらりくらりと進めていきたいと思います。今後とも、どうぞ御贔屓に。

 

さて、検証記事については、比較的深堀可能で、他のサイトでお目にかからない、特殊勝利点を、引き続き題材にしようかなと思っています。庭園記事も、二人戦での評価や、四人戦のうち、庭園に3人いった場合の作戦間の優劣など、やりのこしがあるのですが、少し飽きがきた(笑)のと、庭園2人の場合からかなりの範囲を類推できるので、敢えて触れずにおくのもアリかな?と思っています。それよりは、いかにしてメタゲームを操って、庭園側の場合は庭園3人に、属州側の場合は属州3人にもっていくかが大事な気がします。まぁ、鉄工所とか工房があれば、問答無用で庭園で良い気がしますが、結局庭園3人になった場合は、庭園が枯れた後の展開を有利に導くアプローチを考える必要がありますし、「銀貨買って、公領も買えるようにしておく。」以上の方針を出せれば面白くなりそうです。

 

以下は、2014年記事の導入として、まずは、よろずやステロ、よろずや公領公爵、庭園工房、シルク工房の比較を行って、どういう方向に記事を進めるのが面白そうか、占ってみましょう。

まずは、二人戦のよろずやステロ対よろずや公領公爵です。

f:id:zFERRY:20131229032557j:plain

 

よろずやは、ステロでまわしても強いですし、銀貨をたくさん獲得できるので公領公爵でまわしても強そうですが、二人戦に限定すると、さずがにステロでは属州8枚獲得する後半の失速が大きく勝ちきれません。三山切れ率が73%程度ですので、公領公爵側は、ほぼ三山切れの場合に勝ってるイメージですね。このあたり、アルゴリズムの最適化を進めれば、ある程度様子は変わってくるかもしれませんが、属州8枚とられて、公領を2枚くらいカットされる展開(54点)になっても、公領公爵側は公領6枚と公爵6枚と、同じ12枚で同点に持ち込めますので、8金出さなくても良い分、有利と言えるでしょう。

 

次は、ここに庭園工房、シルク工房がからむとどうなるか?という検証です。工房は庭園戦略で鉄工所の次くらいに強い作戦でした(ジェロニモ様でシミュレートできない暗黒&ギルド環境は除く)し、庭園工房2人対よろずやステロ+鍛冶屋ステロでは庭園工房の圧勝でしたから、よろずや公領公爵がどの程度頑張れるか?が焦点でしたが、、、。

  • よろずや属州/よろずや公領公爵/庭園工房4/シルク工房4/引分=1.16 / 0.92 / 17.81 / 78.38 / 0.17 (18.1T) 三山 99%

f:id:zFERRY:20131229034435j:plain

結果は、シルク工房の圧勝でした。庭園工房に対しても圧倒的な強さを誇ります。このあたりはドミマニにも書いてありましたが、デッキ10枚で1勝利点増える庭園と、勝利点4枚で1勝利点増えるシルクロードの差が出やすい環境でしたので、予想の範囲内と言えるでしょう。

緑色の線で示される庭園工房はデッキ10枚毎の勝利点の増え方がよくわかります(デッキ20枚の山が7ターン、30枚が12ターン、40枚が18ターンにきています)。一方、黄色の線で示されるシルク工房は、勝利点4枚の山が7ターンから、ほぼ3ターン毎にきているのがわかると思います(7ターン、10ターン、13ターン、16ターン)。7ターンが勝利点8枚の山ですから、13ターンにはシルクロード一枚4点。16ターンにはシルクロード一枚5点に達しているのがわかります。

また、シルクロード工房はデッキが勝利点まみれになりますが、積極的に銅貨を足してデッキ枚数を増やして行く庭園工房とは、同じ枚数の工房をいれたとしても、デッキ内の工房密度に差が生じます。工房密度が高いと手札でダブるリスクは増えるものの、デッキ30枚の時にデッキ一周6ターンかかることを思うと、得点効率が良くなるものと思われます。

対して、よろずや属州と、よろずや公領公爵側は、平均終了ターン数が18ターンと二人戦のケースの24ターンから一気に6ターンも早くなっているので、属州にせよ、公領公爵にせよ、十分な数を確保する前にゲームが終わってしまう印象です。

サプライに、よろずやと工房とシルクロードと庭園と公爵があるケースは、非常に限られると思いますが(笑)、あなたならどの戦略を選ぶでしょうか?

  1. よろずや属州/よろずや属州/庭園工房4/シルク工房4/引分=3.51 / 3.32 / 14.31 / 76.36 / 0.70 (17.9T) 三山 92%
  2. よろずや属州/よろずや公領公爵/シルク工房4/シルク工房4/引分=4.27 / 1.07 / 42.58 / 40.96 / 0.10 (13.0T) 三山 99%
  3. よろずや属州/庭園工房4/庭園工房4/シルク工房4/引分=7.41 / 12.30 / 12.34 / 63.46 / 0.68 (14.9T) 三山 99%
  4. よろずや属州/庭園工房4/シルク工房4/シルク工房4/引分=1.65 / 8.43 / 41.50 / 41.43 / 0.24 (11.5T) 三山 99%
  5. よろずや属州/よろずや公領公爵/庭園工房4/庭園工房4/引分=6.46 / 3.60 / 42.46 / 40.71 / 1.17 (13.2T) 三山 99%

Case1は、先ほどのケースから、属州切れを加速させるために、よろずや属州を2人に変更しましたが、属州6枚を18ターンで切らすのは難しく、シルク工房の優位は動かず。

Case2とCase3は、シルク工房に2人いった場合の、ケーススタディです。

Case2はシルク側の勝率を足して83%超でさらに有利に。シルクを6枚ずつ、屋敷を9枚ずつ分け合ったとすると、33点(=6x4+9)になりますから、属州だと6枚、公領公爵だと公領6枚+公爵3枚ないと追い越せません(屋敷3枚はよろずやで破棄していると考えて)が、三山切れで平均13ターンでゲーム終了しているので、さすがに、よろずや側は属州も公領公爵も間に合いません。

Case3は、さらに工房切れが早くなり、平均11.5Tでゲーム終了。早い勝負に対抗するには、庭園よりもシルクロードの方が適していることがわかります。

Case4で、庭園工房2人、シルク工房1人になると、ゲーム終了が多少伸びて14.9T程度になりますので、若干シルク工房の勝率が下がりますが、それでもシルク工房の優位は揺らぎません。

Case5は、シルク工房が強すぎるのかな?ということで、庭園工房2人とよろずや属州、よろずや公領公爵にしましたが、平均13.2Tで三山切れで終了となり、庭園工房の圧勝でした。

 

これまでにも、いろんなブログや書籍にかかれていることですが、ゲームの平均終了ターン数をイメージすることで、その場その場の作戦の強さが予想できます。よろずや公領公爵は単体よろずやステロに対しては、大きなアドバンテージを持っていますが、これは二人戦限定の話であり、四人戦でよろずやステロに3人走られた場合は決着が早くなる分、かなりの不利が予想されます。また、よろずやステロ2人、よろずや公領公爵2人に分かれた場合でも、ステロ側の属州ノルマが8→6枚に減るのと、公領公爵側自身が2人で得点を分け合うため、様子が変わってきますし、属州側に早目に公領をカットされると、さらに不利になってしまいます。

 

 

さた、ここまで書いてきて、シルクロードかなり強そうに思いますが、「呪いや廃墟バラマキに弱い」など、明確な弱点(というか、庭園が呪い/廃墟に強い)もあります。また、庭園とシルクロードが同時にサプライにあるケースは少ないと予想されるので、他の作戦(例えば泥棒など)とのインタラクションなど、差がある点に絞って検証していくのが良さそうです。

一方、今回は庭園/シルクロードの割を食った公領公爵ですが、ドミニオンの上級者の方の多くは、「特に二人戦においては、公領公爵の方が場に与える影響は大きい」旨発言されていますので、検証の面白味、深堀の意義という意味では、公領公爵の方がやりがいがありそうです。二人戦/四人戦における公領公爵戦略の違いについても、検証していければ楽しそうです。

ではでは、来年もFERRY's Game Blogをよろしくお願いします。

 

※データ検証には「Geronimoo's Dominion Simulator」(URL:http://dominionsimulator.wordpress.com/)を使っています。

ツールの開発者の方々に感謝いたします。