[主催イベント]ドミニオン日本選手権2017 予選1日目反省会(7/22)
日本選手権も終わり、日本チャンプのむーろんさんも世界挑戦を決意し、世界選手権が楽しみになって参りました。
一方、世間では「これでやっと基本陰謀海辺以外のサプライを思う存分楽しめる」「アグリコラで相手のドラフト手札の内容から戦略を予想して、自らの戦略にフィードバックすることで、ドミニオンに必要な能力が養われる」「イカ!イカ!イカ!」と、開放感に溢れたツイートが飛び交ってますが、そんな中で、日本選手権1日目の予選を振り返って反省しよう、というストイックな8名のプレーヤが都内某所に集い、ドミニオン会が開かれました。
かくいうFERRYも、某ドロミニオンさんで一人回しをして、各ルートの速度感を確認しつつ、各ルートのインタラクションに思いを馳せながら、この日を迎えました。
実際、改めて基本陰謀海辺の意図的に組まれたサプライをプレイしてみて、初手で先にルートを示すことで先手番が必ずしも有利にならないようなケースや、予定のルートに一直線に入るのではなく、1クッション置いてから入るなど、プレーヤ間の駆け引きを十分に楽しめたと思います。
さて、まずは午前4戦、午後4戦の中から、一人手持ち4票でもう一回やりたいサプライ投票を行いました。投票の多い順に対戦を進めていくコンセプトです。8人の投票結果はこちら。
同点7票で、午前2回戦と午後2回戦が人気でした。いずれも庭園が絡んだサプライで、属州ルートに行くのか、特殊勝利点に行くのか、はたまたハイブリッドで行くのかの判断が熱いサプライです。続いて、寵臣拷問人が揃う午前3回戦が6票、策士を軸にしたパーツの取り合いから戦略が枝分かれする午前4回戦が5票と言ったところが得票上位のサプライでした。一方、午前1回戦は1票も票が入らず、この日は振り返り対戦もありませんでした。原住民の橋の強さが認知されている世界では、ビッグブリッジを成立させるだけのパーツを確保するのが難しく、そこからの戦略のぶつかり合いが見どころになるかと思っていましたが、自分も含めて票を入れていないので致し方なしですね。
では、反省会当日の対戦順に則って、サプライ、および、反省会の内容を振り返っていきます。
午前2回戦
庭園、役人、魔女、中庭、交易場
公爵、大使、密輸人、引揚水夫、バザー
こちらのサプライは2回連続で対戦をしています。のべ合計4卓の対戦で、勝利したのは銀役人x2、密輸人役人x1、中庭役人x1という結果となりました。2-5は中庭交易場、中庭魔女ともに勝てず、属州以外に点数行動できるルートがある時の役人の強さを表した結果となりました。銀貨獲得もそうですし、ステロに対しての足止め効果が絶大でした。よくよく考えてみれば、勝利点を山札に戻すという、プチ幽霊船的なアタック効果なので、役人が打ちまくられる環境では、ドロー系のステロはしんどいですね、、、。
一方で、2回目の卓Bは庭園で勝ったのですが、大使で屋敷銅貨が撒かれた関係で、4金すら出なくなってしまいました。こういう展開もあるんだな~と不思議な感覚でしたが、庭園のタイミングを遅らせて、息切れしないように気を付ける必要があると感じました。工房や鉄工所などの直接獲得系のカードでないあたり、サプライ作成者の意図を感じるところです。
日本選手権では、2-5で中庭交易場を選択して4位轟沈しましたが、上位手番で役人が買われている状況では2-5でも中庭役人の方が勝負になるのかな?という印象です。
午前3回戦
木こり、鍛冶屋、書庫、秘密の部屋、貧民街
拷問人、寵臣、停泊所、見張り、島
日本選手権では寵臣停泊所から、寵臣集めて、見張り書庫貧民街を差して、拷問人をかわしながら同点1位だったのですが、このゲームは拷問人ロックまで組みに行ってみようと思い、見張り木こりから入りました。まぁ、木こりは銀でしょ、というのはおいておいて、やはり見張りでは5金が遠く、貧民街が増えるばかりで拷問人へのアクセスが極端に遅くなってしまいました。何枚かカットしようと思っていた寵臣も1枚も取れないまま、ゲームは終わってしまいました。他の方の初手をみても、見張りは一人もおらず、まずは5金を出しやすい初手から入って、圧縮を後回しにする手順の方が安定したのかなと思います。
午後2回戦
木こり、庭園、役人、中庭、鉱山の村
拷問人、倉庫、大使、巾着切り、バザー
拷問人、大使をみて、庭園ルートの評価が上がるも、一人大使になってしまうと、大使側が有利になるので、どうしようか考えていました。自分が大使に行くと、4番手のチャーシューさんが全力庭園で有利になってしまうというジレンマだったのですが、勝ちの目が出るのは、自分が庭園ルート宣言して、チャーシューさんが大使に入ってくれるケースだと考え、初手木こりで庭園宣言をして、こちらの都合を押し付ける形になりました。チャーシューさんも大使大使の初手を取ったため、一気に庭園ルート有利の流れに。午前2回戦の反省を活かして、役人木こりを多目に入れて金量を確保する方向で進めてゲームエンド。
もう1卓も大使は点数が振るわず、役人の強い場が見えてきた午前2回戦と午後2回戦でした。
午前4回戦
村、改築、金貸し、共謀者、偵察員
銅細工師、貴族、抑留、策士、探検家
このサプライは、抑留のインタラクションによる駆け引きが面白く、今回の午前のサプライの中でもお気に入りのサプライです。日本選手権時は共謀者が4枚取れたので、一位確できる状況で三山を切らして勝ちましたが、全員が策士ループを強く意識する場ではパーツが十分に集まらないケースも考えられるので、どのような展開になるのか楽しみでした。
策士ループに行く場合は、銀貨を取る意味が無いので、3-4は村金貸しか、村改築かでルートがわかれます。5金で策士を早く取りたいか、屋敷を改築してパーツを取りに行くかの狙いの差だと思いますが、自分は、ニート改築にならなければ、より強い動きになる可能性の高い、村改築派です。策士は3周目でも十分かなと。
今回は、ループに入る段階で銅貨がかなり残っていたので、金貸しを2枚入れてループ中に共謀者3枚と合わせて12金を出す体制に。というところまでは良かったのですが、探検家を入れて属州2枚体制に持っていくのが遅れて2位止まり。策士ループに入るタイミングで、村金貸し策士みたいな動きが出来ていれば、探検家に改築するための銀貨を獲得するとか手数を圧縮できたのだと思いますが、うーん、難しい。
あと、2-5の抑留策士は皆さん旗色悪かったのですが、A卓で探検家抑留で入ったうりはりさんが2位になっていて、どんな構築をされたのか興味があるところです。
[追記]A卓の展開は以下のような感じだったようです。
午後1回戦
地下貯蔵庫、鍛冶屋、大広間、偵察員、鉄工所
寵臣、貢物、ハーレム、見張り、引揚水夫
A卓は2-5無し。B卓は3人2-5と、かなり展開に差があったと思われますが、B卓はハーレムで金量とVPを上げていったうりはりさんが1位。FERRYは下家のkolentoさんが鉄工所大広間ルートに行ったので、貢物を入れましたが、あまり効果的に働くことがなく、寵臣枚数でも不利を被って4位。圧縮に見張り1枚と、引揚水夫1枚を入れたのですが、寵臣で手札が4枚になった状態で引揚水夫で屋敷を切っても効果的に動くことができませんでした。一方、見張り2枚のチャーシューさんは寵臣枚数でリードしていたものの、見張り事故で銀貨を2回くらい切っていて、その分遅れてしまった感じでした。二人戦で寵臣5枚分け合うような環境であれば、もう少しなんとかなったのかもしれませんが、4人戦で少ない寵臣枚数で回すときは、金量を上げていかないといけないと心に刻んだ一戦でした。
A卓は皆さん3-4で銀引揚水夫が1位。見張り引揚水夫のすどうさんが苦戦しておられたのを見ても、2周目に5金を出しに行くアプローチが必要で、いろいろと考えさせられたサプライでした。
午後3回戦
村、執事、願いの井戸、橋、公爵
灯台、密輸人、海の妖婆、船着場、幽霊船
日本選手権午前1回戦の原住民の橋サプライで、橋執事で入って、アクション事故で爆死した記憶を引きずりつつ、こちらの午後3回戦のサプライも橋執事で入りました。感想戦では、このサプライの橋はそんなに優先度高くないのでは?という意見が出ていました。橋入り4金で村の枚数を確保したいという狙いでしたが、実際に勝ったのは、執事願いの井戸から屋敷圧縮の船着場ステロを敢行したすどうさんでした。
確かに、購入は船着場で出せるので、引き切りまで持って行けたとしても、エンドアクション枠を橋に使うのは得策ではなかったなぁと思います。
A卓は点数が低くて、3山で終わったか、呪い撒きでグダッたか?という感じですが、橋執事のkolentoさんが1位を取っているので、どういう展開だったか気になります。
午後4回戦
改築、金貸し、民兵、書庫、貧民街
銅細工師、抑留、海賊船、宝の地図、策士
午前4回戦とは違って、策士ループに行く場合は、どの組み合わせで属州を獲得するかが問題となります。地図を揃えて得られた金貨を改築で属州に改築するか、海賊船で金量を出すかですが、改築金貸しで初期デッキを廃棄するのにかなり骨が折れるのと、策士で10枚になった後に、ドローするカードが無いので、事故が怖いところです。
初手は2-5で抑留策士。午前4回戦のサプライでは抑留策士の初手は厳しいと感じていましたが、ここからの引きが神ってました。3T目にデッキトップから策士を打って、4T目に抑留込みで9金を出して地図地図を購入。5T目に、またデッキトップにいた優秀な策士を打って、この時残りの手札に宝の地図無し。6T目に宝の地図を揃えて改築を購入。と、爆回りでした。この後も、属州に抑留トークンが置かれているものの、改築で金貨を改築するものも含めて、属州5枚を取って勝利。流石に、ここまでの爆回りはそうそうありませんが、ループを組みに行ったkolentoさんは手を伸ばすのに苦労していたのに対して、金貸し銀から策士1枚ルートを選んだチャーシューさんは26点2位でしたので、策士1枚の方針自体は間違っていなかったのかなと思います。
午後2回戦(2回目)
木こり、庭園、役人、中庭、鉱山の村
拷問人、倉庫、大使、巾着切り、バザー
4名のみで本日2回目の午後2回戦です。4人で庭園ルートでも良かったのですが、庭園3人で4枚ずつ一枚4点で16点。公領が4枚ずつで12点。屋敷が7枚で7点。フラットに35点なら属州6枚+αで勝負になるかな?と思い、ステロルートに。ただし、ステロルートに行くなら行くで、大使で屋敷を戻しておく手間をかけないと、役人のアタックが厳しすぎました。実際7金も多かったのですが、ここでも役人アタックの怖さを思い知ったのでした。
というわけで、全体の戦績です。
実験手を取ったり、日本選手権の時とは違ったアプローチをした方もいたと思いますので、参考データですが、選手権の時とは違うインタラクションが楽しめたり、充実した対戦会でした。
異郷が出たころにドミニオンを初めて、なおかつ、家族以外とリアルの4人戦を多くやり始めたのもここ1~2年なので、異郷以前の環境はわかってないことが多いのですが、基本陰謀海辺はだいぶ経験を積めたので、今度は繁栄中心のサプライを勉強してみたい感じです。属州環境だと帝国はランドマークの影響がかなり大きい感じがありましたが、繁栄帝国環境になるとどのようなバランスになるのか、非常に興味がありますね。
[追記]
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
可能な限り4人戦での対戦を行いたかったことと、しばらく8人の参加者から増える気配がなかったことで、12名でイベント募集していたものの、前日夜に参加者8名の状態で、募集を終了させていただきました。参加を考えていただいていて、かつ、参加を表明されていなかった方には、事前の連絡なく募集を終了したことで、ご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りて、お詫び申し上げます。