FERRY's game blog

ドミニオンとか アグリコラとか

コンボマスターへの道 その1 ~コンボと言えばまずはコレから!FERRY式村鍛冶チャート~

コンボマスターへの道、それは細くて長い。
光届かぬ、昼なお暗い森の奥深くでさまようがごとく、どうすればコンボが組めるのかわからない、、、。

圧縮と村とドロー、どんな順番でデッキに入れていけばいいのか。
勝利点を買い出しても引き切るためには、どの程度許容枚数を見積もればいいのか。
もうステロでいいじゃん。

そんなあたなに朗報!FERRY式村鍛冶チャートが、あなたのお悩み解決します!
さぁ、壮大なるコンボの海へ漕ぎ出そう!


すいませんすいません。かなり盛り過ぎてしましました。「んなこと言ってる、てめーはコンボ組めんのかよ!?」案件でございました。てなわけで、久しぶりの戦術解析回をお届けするFERRY's Game Blogです。

ツイッターで、「コンボの組み方紹介してるブログってないよね~」的なつぶやきを見たのもありますが、お手製のシミュレータちゃんも廃棄まで実装できたので、次は+アクションの実装かな~というフェイズに入ってきました。まずは、コンボのイロハのイ、村鍛冶コンボについて、検証していきたいと思います。


「村鍛冶」の愛称でお馴染みの+2アクションのカードと、複数枚ドローのカードを組み合わせたコンボは、ドミニオンのコンボを語るうえで避けては通れない戦術です。ドミニオンマニアックスシリーズや、ドミニオンラーニングでも紹介がありますが、村鍛冶のデッキ構築をする上で、村と鍛冶屋の枚数バランスを考えることは、引き切りデッキを作る第一歩となります。改築によるコスト変換や、工房による獲得、地下貯蔵庫による手札交換、さらに廃棄カードによる圧縮と、コンボを組むうえで考える必要のあることは多いのですが、まずは村の枚数と鍛冶屋の枚数の組み合わせによる、以下のチャートをご覧ください。

f:id:zFERRY:20170610174517j:plain

まずは、村の枚数と鍛冶屋の枚数の組み合わせで、手札5枚を含めて何枚まで山札を掘れるか確認します。黄色のエリアは村の枚数+2枚以上の鍛冶屋が入っていて、最大限コンボがつながっても、アクション不足で使えない鍛冶屋が手札に残ってしまう領域を示しています。例えば村2枚、鍛冶屋4枚の領域は、村を2枚プレイできても合計3アクションにしかなりませんので、鍛冶屋4枚のうち、1枚はどうしても使えないことになります。
そして、より大事なのは、次のチャート。山札を掘れる枚数のうち、コンボパーツである村と鍛冶屋を除いた枚数を示したものが、以下のチャートです。

f:id:zFERRY:20170610174536j:plain

これは最大限アクションが連鎖してドローを進めた場合に、コンボパーツ以外のカードを何枚許容できるか?を表したものです。FERRYの場合、これら二つのチャートが引き切りデッキを考える上でベースになっていて、ここにプラス、パーツ以外の許容枚数で何金何購入を出すか?という視点が加わります。
では、実際に、村と鍛冶屋しかない場を想定して、ギリギリ8金の出る銅貨7銀貨1屋敷3の11枚を引き切ることができる確率がどの程度あるのかをシミュレートしてみましょう。

f:id:zFERRY:20170611012950j:plain

ここでの確率計算は、村と鍛冶屋を任意の枚数デッキに入れて、銅貨7、銀貨1、屋敷3と合わせて山札を作り、毎回引き切った後の次のターンのイメージで、捨て札置き場には何もなく、手札5枚の状態からスタートします。これを10000回繰り返して、引き切れた確率を計算しています。
まず、コンボパーツを最少枚数に抑える場合、村2枚・鍛冶屋3枚の組み合わせで11枚引くことができます。村も鍛冶屋もギリギリなこのケースでは、なんと引き切れる確率は9.1%しかありません。最初の手札5枚に村がないと引き切れませんし、鍛冶屋が底3枚に沈んでも引き切れません。ここから村を増やしていくと、最初の手札5枚に村がくる確率が増えていくので、引き切り確率は20%程度まで上がっていきますが、村5枚くらいで頭打ちになり、後はどれだけ村を増やしても引き切り確率の向上は見込めません。許容枚数0の状態では引き切りできる可能性は低く、可能性を高めるためには、余裕をもって引き切れるように許容枚数を増やすこと、すなわち鍛冶屋を増やしてやる必要があります。

鍛冶屋を4枚に増やすと、許容枚数は13枚になり、引き切らなければならない11枚に対して、2枚余裕があることになります。この場合、鍛冶屋4枚をすべて使うためには、村は最低限3枚必要です。ただし、この村3鍛冶屋4の組み合わせは13.0%の確率でしか引き切ることができず、村2鍛冶屋3に比べて4%弱しか引き切り確率を改善することができません。やはりこの場合も、手札5枚に村が来るように村の枚数を増やしてやることで、45%程度の確率まで引き切り確率を高めることができます。特に村3鍛冶屋4に村を1枚足した、村4鍛冶屋4の引き切り確率は13.0%→24.3%とほぼ倍増しており、村鍛冶コンボを構築する上で、村の枚数が非常に重要であることがわかります。
同じギリギリでも、村4鍛冶屋5までいくと、15枚の許容枚数に対して11枚を引き切ればよく、4枚の許容枚数の余裕が、30.4%と引き切り確率を底上げします。村6鍛冶屋5で48.8%と、約1/2まで引き切り確率が向上しますが、サプライに10枚ずつしかないコンボパーツを大々的に買い占めてやっと50%にしか届かないのが現状です。また合計11枚の村と鍛冶屋を買うためには、+購入の無い場では11ターンかかることになり、4人戦の場合であれば、コンボパーツを集めている間に、終盤を迎えてしまっているかもしれません。
また、ある程度以上の枚数の鍛冶屋を入れていくと、許容枚数は増えているのに、引き切り確率が下がる現象が見られます。例えば、村6鍛冶屋6の引き切り確率は51.5%ですが、これに鍛冶屋を1枚足すと、49.9%に確率が下がってしまいます。これは、デッキ全体に対する村の割合が下がることで、手札5枚の中に村がくる確率が下がってしまうためです。

では、コンボパーツを集める際に、村から集めればよいか?というと、必ずしもそうとは限りません。パーツ集めの最中は鍛冶屋で財宝カードを引いて、村なら3金、鍛冶屋なら4金の金量を出すことが必要になるため、デッキの最終形のバランスとは別に、多少鍛冶屋を優先して集めるというテクニックは存在します。いわゆる「村、村、村、村、村、3金で村を買います」という状態を避ける必要があるわけですね。
また、「コンボパーツが重い」という表現をよく使いますが、+2アクションがバザーなどの5金の村しかない。+ドローが熟練工のような5金のカードしかない場合は、より5金を出す重要性が増しますので、先に銀貨を数枚いれるなど、しっかりパーツを買える金量に届かせる工夫が必要になります。

さて、これらの数値をグラフにしたものが、下の図です。

f:id:zFERRY:20170611013006j:plain

グラフを見た感想は人それぞれだと思いますが、過剰に鍛冶屋を入れても引き切り確率は上がらない反面、許容枚数ギリギリの引き切りは村を追加しても効果が薄いこと。そもそも村と鍛冶屋を買うだけのデッキでは、引き切りを安定して成立させることが難しいことがわかるかと思います。


このチャートをベースにすると、廃棄系のカードは引き切らなければならないカードの枚数を減らすことで、引き切りの確率を上げる、もしくは、引き切りに必要なコンボパーツの数を減らすことができる、という効果があることがわかります。必要な金量を確保するために銅貨3枚を引き切るためのパーツを追加した方がいいのか、銅貨3枚を廃棄して金貨を買う手数をかけた方がよいのか?といったあたりの判断の助けになるかと思います。
次に、改築系のコスト変換カードは、初期デッキに含まれる屋敷を村や鍛冶屋に変換したり、銅貨を地下貯蔵庫に変換したりすることで、コンボパーツを集めながら、コンボパーツ以外の引き切りの対象となる枚数を減らしていることが、引き切り構築に対して二重の恩恵になっていることがわかります。改築さん、パねぇっす。
一方で、工房系の獲得カードは、パーツの確保を進める効果があります。上記の引き切り確率をみるかぎり、引き切りの安定度を上げるためにはかなりの枚数のパーツが必要であり、通常の購入で1ターンに1枚パーツを集めるだけでは膨大なターン数がかかってしまいます。”最初のゲーム”には、初手「銀改築」「銀工房」「改築工房」など様々な宗派がありますが、最終的には工房をコスト変換して公領やその他の5コストカードにコスト変換できる改築との組み合わせである「改築工房」が一定の支持をうけているのもわかる気がします。

さて、このコンボマスターへの道では、引き続き、地下貯蔵庫や倉庫などのルーターを入れること恩恵、漁村や隊商の持続が与える効果、画策で選択してカードを戻す効果、市場などのプラス購入がパーツ集めに与える効果などを検証していきたいと思います。お楽しみに!


このような解析には、先人の足跡があります。ドミマニでも紹介されていた以下のサイトのコードを見ると、自分のコードは恥ずかし過ぎて死ねますね。まぁ、プログラムの勉強も進めたいところです。

d.hatena.ne.jp