コンボマスターへの道 その2 ~ルーターはコンボのお供!FERRY式村鍛冶チャート~
コンボマスターの頂上、それは果てしなく遠い。
雲を突き抜けそびえ立つ山頂までの登坂ルートは今いる場所からは見ることもできず、コンボのルートも見えはしない、、、。
村と鍛冶屋を追加しても、当然のように襲い来るアクション事故。
苦労して引き切った頃には、すでに残り少ない勝利点。
もう脳筋狩猟団でいいじゃん。
そんなあたなのトランキライザー!村鍛冶に追加する1枚のルーターが、あなたのお悩み解決します!
コンボの道も一歩から。さぁ、アクション事故におさらばしよう!
なんのテンプレだって感じですが、本人楽しんで書いてるので、許してやってください。実は、村鍛冶チャートでお伝えしたかったことは、第1回の後半、廃棄やコスト変換や獲得カードのチャートへの影響を書いてしまったことでほとんど書き終わってしまいましたww コンボ初心者の頃は、とにかく初手で廃棄買って~とか、+購入後でいれるタイミング無いから初手で買って~とか、手数圧縮大事よね~とか、いろいろ試行錯誤するわけですが、マジックワード「サプライによる」の呪縛から解き放たれるためには、まさにそのサプライにおける手順を考えるしかありません。将棋の格言がいついかなる時でも当てはまるわけではないように、毎回効率の良いルートを考えるからこそ、ドミニオンは面白いなぁと思うわけで、、、。
このコンボマスターへの道では、ある限定された状況でのカードの振る舞いから、なんらかの普遍性を導き出そうという心意気のもと、お届けしている次第です。
そんな今回のテーマは「ルーター」。ROOTER?ROUTER?LOOTER?実はどの英語かわかっていないまま、文章を書いています。教えて、偉い人っ!辞書で調べるとROOTERが「根絶する」「応援する」とかいう意味とともに「(豚などが)鼻で地面を掘って食物を探す」という意味を持っているので、これが一番しっくりきますかね? ドミニオン?の界隈では、手札を入れ替える効果をもつカードが「ルーター」と呼ばれているようです。まぁ、呼び方は適当でいいんです。大事なのは効果の方。
前回、村と鍛冶屋の枚数別に、11枚のパーツ以外のカードを引き切れる確率を計算してみました。組み合わせはいろいろあるのですが、だいたいどの枚数で計算しても、傾向は似たような感じなので、その他の枚数を引き切れる確率は割愛です。とはいっても、傾向を見るために、村5枚、鍛冶屋5枚で各枚数のコンボパーツ以外のカードを引き切れる確率を見てみましょう。
引き切り対象は5枚~15枚までですが、意外と線形にのっているなという印象です。
前回と同じ11枚(銀x1、銅x7、屋x3、金量9金)で37.81%。属州を1枚買って、12枚になると29.39%。属州を2枚買って、13枚になると17.95%。事故らずに属州を買い続けるのは至難の業と言わざるを得ません。礼拝堂で圧縮できて、銀銀銀銀礼拝堂の5枚を引き切る場合は88.91%。属州3枚を買った後、四人戦で優位にたてる4枚目を買うためのターン(屋敷3枚廃棄分の勝利点は今は横においておくのです)では、銀x4、礼x1、属x3の8枚で69.63%。7割あれば十分な感じもしますが、5枚→6枚→7枚→8枚と連続で4回とも引き切れる確率は、40%しかありません。うーん、引き切りやめたくなってきたかも、、、。
いつもの通り、毎回手札5枚引いて、捨て札にカードが残っていない状態(カードは全て山札)で10000回の試行をしています。引き切りできるケースもあれば、5枚の手札にアクションが1枚も無く1枚も引けないケースもあるわけですが、それぞれどのくらいの確率で発生するのかを見たのが次のチャートです。
各々、村と鍛冶屋を可能な限り打って、最終的に山札が何枚残ったかを示したものです。10%以上の確率で発生するケースを緑、5%以上の確率で発生するケースをオレンジで記していますが、一定の模様が見えるのは4枚おき。村+鍛冶屋の合計4枚ドローでその後が続かないパターンが多くなっていることがわかります。村がなくて鍛冶屋だけ打って止まってしまう下から3番目がもっと多くなるかと思いましたが、村5枚・鍛冶屋5枚だと、村と鍛冶屋が手札にくる確率は同じなので、4枚はドローできるケースが多くなっていると思われます。
さて、ここにルーターを加えると、どうなるでしょうか?基本・陰謀・海辺の代表的なルーターとして、地下貯蔵庫と倉庫を1枚ずつ加えたケースをシミュレートしてみましょう。処理の優先順は以下の通りです。
1)村があれば村を打つ
2)残りアクション回数1回で、村が無い場合はルーターを打つ
3)ルーターしかアクションカードが無い場合は、ルーターを打つ
4)鍛冶屋があれば鍛冶屋を打つ
地下貯蔵庫は、アクション以外のカードを捨てて、引きなおすアルゴリズムにしています。どちらかというと村を探したいケースで打つので、鍛冶屋を1枚だけ残して、その他を捨てるアルゴリズムを試してみても良いかもしれません。倉庫は、先に3枚ドローして、勝利点→財宝→鍛冶屋→村の順番に捨てるアルゴリズムです。
先にドローできるものの、倉庫は3枚しか手札交換できないのに対して、村鍛冶で手札が増えた状態で打てば好きな枚数交換できる地下貯蔵庫の方が引き切り確率は上になると予想されます。
検証結果は以下の通り
コンボパーツ以外9枚くらいまでは、地下貯蔵庫も、倉庫も確率は変わりません。ルーターを入れない場合に比べると引き切れない確率が随分減っているのがわかります。そして、コンボパーツ以外の枚数が10枚を超えたあたりから、地下貯蔵庫が真価を発揮します。14枚を引き切れる確率は、村鍛冶のみ11.95%→倉庫1枚22.48%→地下貯蔵庫1枚35.34%と、村鍛冶のみのケースに比べて3倍増します。
一方で、忘れてならないのは15枚のケース。地下貯蔵庫も倉庫も手札が1枚減るアクションカードですので、村と鍛冶屋の総許容枚数から1枚減ってしまうことを考慮して、デッキ構築する必要があります。その点、拡張「帝国」の公共広場は、3枚ドローして2枚捨てるカードですので、手札の枚数が減らず、村鍛冶コンボの安定性という意味では、5コストの価値が十分あると感じられます。
地下貯蔵庫、倉庫の詳細チャートは以下の通り。
まずは、地下貯蔵庫。
次に、倉庫です。
コンボパーツ以外の枚数が少ない領域で、引き切り確率が地下貯蔵庫・倉庫間でそんなに差が無い場合でも、4枚ドローで止まってしまう確率は地下貯蔵庫の方が小さい値を示しており、とにかくデッキを回転させたいケースでの地下貯蔵庫の力が伺えます。
倉庫は、先にドローできる効果が大きいので、男爵と屋敷を揃えたい、宝の地図を揃えたい、など、手札が増えた状態で、所望の組み合わせが出来ているか判断してから捨て札を選べる効果を最大限に生かしたいところです。
ここまでの結果で、ルーターを加える効果が大きいことはわかりましたが、では、ルーターを複数枚入れるとどうなるでしょうか? 従来の結果との比較を容易にするために、村5枚・鍛冶屋5枚・コンボパーツ以外11枚のケースで、ルーターの枚数を0~4枚に増やして、引き切り確率への影響を見てみましょう。
ルータの枚数が1枚・2枚の領域では地下貯蔵庫優位ですが、3枚でほぼ同等、4枚で倉庫の方が引き切り確率が高くなる逆転現象が起きています。
まだ、アルゴリズム最適化の余地がありますが、現在の地下貯蔵庫のアルゴリズムでは、アクションカードを捨てないルールになっているので、デッキ全体に対するアクション枚数が増えてくると、結果として手札交換できる枚数が減ってしまう現象が起きてしまっているのかもしれません。
さて、第2回のコンボマスターへの道いかがだったでしょうか? この記事を読んだだけで、引き切りコンボが組めるようになるほど簡単な世界ではありませんが、構築の手順の最適化を考える上で、参考になれば幸いです。
次回以降は、漁村や隊商の安定性を連続引き切り回数で検証したり、いよいよ村鍛冶コンボの本丸、改築の検証に移っていきたいと思います。どうぞ、お楽しみに!